弁護士の選び方
- 相手に弁護士がつきました。私も弁護士に依頼すべきですか?
- 弁護士は「武器」です。相手と対等に戦うにはあなたも離婚に強い弁護士に依頼すべきです。
- 弁護士にはどのタイミングで依頼すべきですか?
- まずはお早めにご相談ください。
相談すれば必ず依頼しなければならないわけではなく、アドバイスを聞くだけでも構いません。
ご依頼のタイミングはケースバイケースですので、ご依頼いただきたいタイミングもアドバイスします。
- 私は女性ですが、女性弁護士に依頼すべきですか?
- 大切なのは性別ではなく相性や信頼感、経験値です。
あなたの疑問に答えてくれて、二人三脚で歩めそうな信頼できる弁護士に依頼すべきです。
親権について
- 裁判所はどのように親権者を決めるのですか?
- 家庭裁判所調査官という専門職員が子どもについての調査を行います。
調査官は当事者との面談や自宅の訪問、子どもの意向の確認、学校や保育園の先生からの聴き取りなどを行い、調査報告書を作成します。
最終的に判断するのは裁判官ですが、調査報告書どおりの結論になることが大半です。
- 裁判所に親権者として指定されるにはどうすればよいですか?
- 裁判所は子育ての実績を重視します。子育ての環境、子どもの環境変化の程度、子育ての支援者(監護補助者)の有無、子どもの意向なども重要です。大切なのは、裁判所が重視するポイントについて丁寧にアピールすることです。アピールポイントはケースバイケースですので、親権を本気で争うのであれば離婚弁護士に必ず依頼すべきです。
- 母親が親権者に選ばれやすいのですか?
- 基本的には性別ではなく、子育ての実績や能力が重視されます。裁判所は母親を親権者に指定することが多いですが、これは母親が子育ての中心となることが多いためであり、母親だからというわけではありません。
- 相手より収入が少なくても親権者になれますか?
- 親権者を決めるに当たり、経済力はさほど重視されません。収入が相手よりも少ないことを過度に気にする必要はありません。
- 不貞行為をした側は親権者になれないのですか?
- 不貞行為は親権者の適格性には直結しません。子育ての実績や能力があるのであれば、裁判所が不貞行為をした側を親権者に指定することもあります。ただし、不貞行為によって子育てに悪影響が生じていたのであれば、結果に影響を及ぼすこともあります。
面会交流について
- 面会交流はどのくらい細かく取り決めるべきですか?
- 離婚後のトラブル予防のため、できるだけ細かく取り決めておくのが望ましいです。面会の頻度はもちろん、時間、場所、子どもの引渡しの方法、食事・入浴・宿泊などの有無、学校行事への参加の可否、子どもへのプレゼントの可否、中止になったときの代替日の有無など、決めるべきことはたくさんあります。
- 子どもを引き渡すときに相手に会いたくありません。
- 面会交流のサポートを行っているNPOもあります。費用は掛かりますが、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
養育費について
- 養育費は公正証書で取り決めるべきですか?
- 養育費の支払を受ける側からすると、公正証書で取り決めるのが望ましいです。公正証書にしておけば、合意どおりに支払がされないときは直ちに相手の財産(給与、預金など)を差し押さえてお金を回収できます。ただし、作成するときは公証役場に双方当事者が足を運ぶ必要があります。
- 離婚した後で養育費を決めることはできますか?
- 離婚した後でも養育費を決めることはできます。話合いができなければ、家庭裁判所の調停を利用しましょう。
- 相手は養育費を支払う意思がないのですが、支払ってもらう方法はありますか?
- まずは調停を利用しましょう。調停で合意できなくても、裁判所が「審判」によって養育費の金額を決めてくれます。さらに、審判のとおりに相手が養育費を支払わなければ、相手の給与などを差し押さえて強制的に回収することもできます。
- 一度決まった養育費の金額を変更できますか?
- 養育費を後で増減額することも不可能ではありません。ただし、相手が合意しないときは、養育費を決めた当時予見できなかった特別な事情がなければ裁判所は増減額を認めません。双方の家族構成の変化などがあれば認められることがありますが、収入が多少変化したという程度では認められません。一度決まった養育費は簡単には変更できないとお考えください。
財産分与について
- 結婚してから専業主婦だったのですが、財産分与を請求できますか?
- 専業主婦も家事・育児を引き受けることで財産の形成に貢献してきたと言えますので、財産分与を請求することができます。
- 親から相続した財産は財産分与の対象になりますか?
- 夫婦で築いた財産ではない「特有財産」ですので、財産分与の対象にはなりません。
- 結婚前からの貯金は財産分与の対象になりますか?
- 結婚前から有していた財産は、夫婦で築いた財産ではない「特有財産」ですので、財産分与の対象にはなりません。
- 保険は財産分与の対象になりますか?
- 保険も財産分与の対象になります。特に生命保険などは大きな価値を有することもあります。相手がどのような保険に加入しているかをあらかじめ把握し、保険証書のコピーなどを確保しておきましょう。
- 住宅ローンは離婚後はどちらが負担するのですか?
- 住宅ローンのような負債も財産分与の対象となるものの、夫婦の財産全体を合算して負債の方が多いときは、どちらからも財産分与の請求はできません。この場合、住宅ローンは借り入れた側が引き続き支払っていくことになります。住宅ローンの扱いは、オーバーローンかどうか、家を処分するのかどうか、どちらが住み続けるのかによって異なります。金融機関との関係や、連帯保証人になっているときの対応など複雑な検討が必要になるため、詳しくは弁護士にご相談ください。
- 夫(妻)は会社経営者であり株式を持っています。株式も財産分与の対象になりますか?
- 株式も財産分与の対象になります。非上場株式なら評価額が争いになりますが、客観的な評価額が低くても会社経営上重要な価値を有することもあります。そのため、株式の扱いについて安易に判断すべきではありません。会社の役員になっているときも多々検討が必要になります。株式や会社が絡むときは弁護士にご相談ください。
- これまで専業主婦だったため、離婚後の生活資金が不安です。
- まずは今後の収入と支出を把握して生活設計を立てましょう。離婚成立前から就職先を探し、経済的不安を少しでも解消することをお勧めします。子どもの親権者になったときは、養育費のほかに公的扶助(児童手当、児童扶養手当や母子家庭への自治体の支援制度)も受けられます。あなたの側の立場(交渉力)が強いときは、扶養的財産分与について交渉することも考えられます。
慰謝料について
- 不貞行為をした配偶者だけでなく、不貞相手にも慰謝料を請求できますか?
- 不貞相手にも慰謝料を請求できます。ただし、どちらに先に請求すべきかは状況によって異なります。離婚するかどうか、配偶者・不貞相手それぞれの資力などによって戦略も異なります。請求する前に弁護士にご相談ください。
- 慰謝料の相場はどのくらいですか?
- 違法行為の悪質性や結果の重大性などによって相場は変わります。ただし、状況や相手の資力によっては相場を超えた金額を請求する余地もありますので、弁護士にご相談ください。
協議離婚について
- 協議離婚では離婚協議書を作るべきですか?
- 後でトラブルにならないよう、離婚届とは別に離婚協議書を作成すべきです。
養育費、面会交流、財産分与、慰謝料など、取り決めたことを書面に残しましょう。
当事務所では離婚協議書の作成だけの依頼もお受けしています。
- 公正証書って何ですか?
- 公証役場という役場で作成してもらえる文書のことです。
公証役場に手数料を支払えば、離婚協議書を公正証書で作成してもらうことができます。
作成するときは双方当事者が公証役場に足を運ぶ必要があります。
- 離婚協議書は公正証書で作成すべきですか?
- 養育費や、分割払いの財産分与・慰謝料を支払ってもらうときには公正証書で作成するのが望ましいです。
公正証書にしておけば、合意どおりに支払がされないときは直ちに相手の財産(給与、預金など)を差し押さえてお金を回収できます。
公正証書にしていなければ直ちに差押えはできず、一度裁判などを起こす必要があります。
調停離婚について
- できるだけ早く離婚したいのですが、協議・調停どちらを選ぶべきですか?
- 話し合いで解決できる見込みがあるなら協議を試みましょう。
それに対し、冷静に話し合えなかったり、話し合いでまとまる望みがなければ、迷わず調停を利用しましょう。
- 調停では相手と顔を合わせますか?
- 基本的にありません。
調停では別々の待合室で待機し、調停室にも別々に呼ばれるため、相手とは顔を合わせない仕組みになっています。
唯一、離婚成立時には双方の同席が必要とされています。
ただし、弁護士に依頼していれば弁護士が相手と同席すれば足り、当事者同士が同席することはないのが通常です。
- 仕事があり調停に出席するのが難しいです。
- 調停には弁護士だけでなくご本人も出席しなければなりません。
また、状況を正確に理解するためにも出席すべきです。
ただし、調停は平日日中に行われるため、どうしても都合がつかない日は代理人弁護士のみ出席することもできます。
- 相手は遠方在住なのですが、調停のために遠方の家庭裁判所に行かなければならないのですか?
- 調停は相手の住所地の家庭裁判所で申し立てる必要があります。
もっとも、「電話会議」の方法を使えば、遠方に行くことなく代理人弁護士の事務所から出席できます。
このときも離婚成立時には家庭裁判所への出頭が必要ですが、実際には「調停に代わる審判」の方法によって出頭せずに済むことが多いです。
裁判離婚について
- 裁判では裁判所に出廷しなければならないのですか?
- 調停とは違い、裁判では弁護士に依頼していれば弁護士だけが出廷します。
ただし、「証人尋問」をするときや、裁判途中に和解して離婚が成立するときにはご本人も出廷する必要があります。
離婚原因について
- 性格の不一致を理由に離婚できますか?
- 性格の不一致は離婚原因には当たりません。
もっとも、離婚原因がなくても相手が離婚に応じれば離婚は成立します。
実際に性格の不一致を理由に離婚するケースは非常に多いです。
相手が離婚を拒んでいても、調停を利用するなどして離婚に至ることも多いため、まずは弁護士にご相談ください。
- 3年間別居していればそれが離婚原因になるのですか?
- 3年間は1つの目安です。
別居期間3年で必ず離婚原因として認められるというわけではありません。
別居に至る経緯や別居中の夫婦の関わりの程度も考慮されます。
- ギャンブルは離婚原因になりますか?
- ギャンブルによって家計に深刻な影響が出ていたり、ギャンブルのために仕事をせず家事・育児も一切行わないといった事情があれば、離婚原因として認められることもあります。
- 離婚原因がなく相手も離婚に応じないのですが、どうすれば離婚できますか?
- 別居を長期間継続すれば離婚原因になるため、まずは別居することになるでしょう。
また、離婚原因がなくても、調停を利用したり婚姻費用を請求すると相手の意向が変わることもあります。
まずは弁護士にご相談ください。
- 不倫をした夫(妻)から離婚を迫られています。離婚に応じなければならないのですか?
- このようなご相談は少なくありません。
「有責配偶者」の夫からの離婚請求は、相当長期間別居を続けるなどしない限り、裁判でも認められません。
離婚に応じるかを決める主導権はあなたにありますので、離婚を拒否することもできます。
また、離婚に応じる代わりに相応の条件を提示することも考えられます。
必ず弁護士にご相談すべきケースです。