決めること
Decide

子どもに関すること

子どもがいる夫婦にとって、何より大切なのは子どもに関することです。
親権、面会交流、養育費など、決めるべきことはたくさんあります。

親権について

親権とは、未成年の子どもについて子育てや教育を行ったり(身上監護権)、
財産を管理したり法律行為を代理する(財産管理権)権利のことです。
離婚するときは、夫婦のどちらか一方が未成年の子どもの親権者となります。
親権に争いがあり協議や調停で話し合っても親権者が決まらないときは、
裁判を利用すれば裁判所が親権者を決めます。

よくあるご質問

裁判所はどのように親権者を決めるのですか?
家庭裁判所調査官という専門職員が子どもについての調査を行います。
調査官は当事者との面談や自宅の訪問、子どもの意向の確認、学校や保育園の先生からの聴き取りなどを行い、調査報告書を作成します。
最終的に判断するのは裁判官ですが、調査報告書どおりの結論になることが大半です。
裁判所に親権者として指定されるにはどうすればよいですか?
裁判所は子育ての実績を重視します。子育ての環境、子どもの環境変化の程度、子育ての支援者(監護補助者)の有無、子どもの意向なども重要です。大切なのは、裁判所が重視するポイントについて丁寧にアピールすることです。アピールポイントはケースバイケースですので、親権を本気で争うのであれば離婚弁護士に必ず依頼すべきです。
母親が親権者に選ばれやすいのですか?
基本的には性別ではなく、子育ての実績や能力が重視されます。裁判所は母親を親権者に指定することが多いですが、これは母親が子育ての中心となることが多いためであり、母親だからというわけではありません。
相手より収入が少なくても親権者になれますか?
親権者を決めるに当たり、経済力はさほど重視されません。収入が相手よりも少ないことを過度に気にする必要はありません。
不貞行為をした側は親権者になれないのですか?
不貞行為は親権者の適格性には直結しません。子育ての実績や能力があるのであれば、裁判所が不貞行為をした側を親権者に指定することもあります。ただし、不貞行為によって子育てに悪影響が生じていたのであれば、結果に影響を及ぼすこともあります。

面会交流について

子どもと同居していない親が子どもと面会することです。
離婚するときに面会交流の取り決めは必須ではありませんが、面会をめぐるトラブルを防止するために取り決めをしておくべきです。

よくあるご質問

面会交流はどのくらい細かく取り決めるべきですか?
離婚後のトラブル予防のため、できるだけ細かく取り決めておくのが望ましいです。面会の頻度はもちろん、時間、場所、子どもの引渡しの方法、食事・入浴・宿泊などの有無、学校行事への参加の可否、子どもへのプレゼントの可否、中止になったときの代替日の有無など、決めるべきことはたくさんあります。
子どもを引き渡すときに相手に会いたくありません。
面会交流のサポートを行っているNPOもあります。費用は掛かりますが、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

養育費について

子育てのための費用です。
離婚後、子どもを育てていない親は育てている親に対して養育費を支払う義務を負います。
養育費は双方の収入に応じて算定されます。
家庭裁判所のホームページで公開されている養育費算定表を見れば、相場額が分かります。

よくあるご質問

養育費は公正証書で取り決めるべきですか?
養育費の支払を受ける側からすると、公正証書で取り決めるのが望ましいです。公正証書にしておけば、合意どおりに支払がされないときは直ちに相手の財産(給与、預金など)を差し押さえてお金を回収できます。ただし、作成するときは公証役場に双方当事者が足を運ぶ必要があります。
離婚した後で養育費を決めることはできますか?
離婚した後でも養育費を決めることはできます。話合いができなければ、家庭裁判所の調停を利用しましょう。
相手は養育費を支払う意思がないのですが、支払ってもらう方法はありますか?
まずは調停を利用しましょう。調停で合意できなくても、裁判所が「審判」によって養育費の金額を決めてくれます。さらに、審判のとおりに相手が養育費を支払わなければ、相手の給与などを差し押さえて強制的に回収することもできます。
一度決まった養育費の金額を変更できますか?
養育費を後で増減額することも不可能ではありません。ただし、相手が合意しないときは、養育費を決めた当時予見できなかった特別な事情がなければ裁判所は増減額を認めません。双方の家族構成の変化などがあれば認められることがありますが、収入が多少変化したという程度では認められません。一度決まった養育費は簡単には変更できないとお考えください。

お金に関すること

離婚にはお金の話がつきものです。
財産分与、慰謝料、年金分割、婚姻費用など、決めるべきことはたくさんあります。

財産分与について

婚姻期間中に夫婦で築いた財産を離婚するときに公平に分配することです。
原則として、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を1/2ずつ分配することになります。

よくあるご質問

結婚してから専業主婦だったのですが、財産分与を請求できますか?
専業主婦も家事・育児を引き受けることで財産の形成に貢献してきたと言えますので、財産分与を請求することができます。
親から相続した財産は財産分与の対象になりますか?
夫婦で築いた財産ではない「特有財産」ですので、財産分与の対象にはなりません。
結婚前からの貯金は財産分与の対象になりますか?
結婚前から有していた財産は、夫婦で築いた財産ではない「特有財産」ですので、財産分与の対象にはなりません。
保険は財産分与の対象になりますか?
保険も財産分与の対象になります。特に生命保険などは大きな価値を有することもあります。相手がどのような保険に加入しているかをあらかじめ把握し、保険証書のコピーなどを確保しておきましょう。
住宅ローンは離婚後はどちらが負担するのですか?
住宅ローンのような負債も財産分与の対象となるものの、夫婦の財産全体を合算して負債の方が多いときは、どちらからも財産分与の請求はできません。この場合、住宅ローンは借り入れた側が引き続き支払っていくことになります。住宅ローンの扱いは、オーバーローンかどうか、家を処分するのかどうか、どちらが住み続けるのかによって異なります。金融機関との関係や、連帯保証人になっているときの対応など複雑な検討が必要になるため、詳しくは弁護士にご相談ください。
夫(妻)は会社経営者であり株式を持っています。株式も財産分与の対象になりますか?
株式も財産分与の対象になります。非上場株式なら評価額が争いになりますが、客観的な評価額が低くても会社経営上重要な価値を有することもあります。そのため、株式の扱いについて安易に判断すべきではありません。会社の役員になっているときも多々検討が必要になります。株式や会社が絡むときは弁護士にご相談ください。
これまで専業主婦だったため、離婚後の生活資金が不安です。
まずは今後の収入と支出を把握して生活設計を立てましょう。離婚成立前から就職先を探し、経済的不安を少しでも解消することをお勧めします。子どもの親権者になったときは、養育費のほかに公的扶助(児童手当、児童扶養手当や母子家庭への自治体の支援制度)も受けられます。あなたの側の立場(交渉力)が強いときは、扶養的財産分与について交渉することも考えられます。

慰謝料について

相手の違法行為によって精神的苦痛を受けたときに請求することができます。
不貞行為をされたとき、暴力を振るわれたときなどが代表例です。

よくあるご質問

不貞行為をした配偶者だけでなく、不貞相手にも慰謝料を請求できますか?
不貞相手にも慰謝料を請求できます。ただし、どちらに先に請求すべきかは状況によって異なります。離婚するかどうか、配偶者・不貞相手それぞれの資力などによって戦略も異なります。請求する前に弁護士にご相談ください。
慰謝料の相場はどのくらいですか?
違法行為の悪質性や結果の重大性などによって相場は変わります。ただし、状況や相手の資力によっては相場を超えた金額を請求する余地もありますので、弁護士にご相談ください。

年金分割について

年金分割とは、離婚するときに婚姻期間中の厚生年金の納付実績(保険料納付記録)を分割する制度です。
年金分割の対象となるのは厚生年金及び共済年金です。
国民年金(1階部分)や厚生年金基金・国民年金基金など(3階部分)は分割対象とはなりません。
年金分割の手続は、離婚後2年以内に年金事務所で行う必要があります。

よくあるご質問

年金分割はどのように行えばよいのですか?
サラリーマンの妻である専業主婦などは、離婚後に単独で年金事務所で年金分割手続を行えます(3号分割)。それに対し、「合意分割」の手続が必要なときは、家庭裁判所の調停・審判を利用する、公正証書で合意を行うといった対応が必要になります。詳しくは弁護士にご相談ください。
合意分割に相手が応じてくれないときはどうすればよいですか?
家庭裁判所の調停・審判を利用することになります。相手が年金分割に応じなくても、審判では基本的に年金分割の請求が認められます。

婚姻費用について

夫婦や子どもが生活していくために必要な費用です。
婚姻期間中の婚姻費用は夫婦が収入に応じて分担しなければならず、別居しても離婚が成立するまではこの義務はなくなりません。

よくあるご質問

別居してから夫(妻)に生活費を入れてもらえず、生活に困っています。
離婚が成立しない限り、収入に応じた婚姻費用を請求することができます。婚姻費用を請求し、相手が応じなければ家庭裁判所の婚姻費用分担調停を利用すべきです。
相手が婚姻費用の支払に応じないときはどうすればよいですか?
まずは調停を利用しましょう。調停で婚姻費用を合意できないときは、裁判所が「審判」によって婚姻費用の金額を決めてくれます。さらに、審判のとおりに相手が婚姻費用を支払わなければ、相手の給与などを差し押さえて強制的に回収することも可能です。

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